脳神経外科のご紹介

当院は42床の小さな病院ですので、疾患としても多岐にわたり、それぞれ機械などの進歩が著しい脳神経外科領域の全ての疾患に対応する設備を備えている訳ではありません。設備も整っていない状態で無理な治療に手を出すことは何より患者様の安全を損なう危険性があり、こうした無責任な事を当院では行いません。当院で可能な治療については大学病院クラスの高いクオリティで行うことをお約束する一方、当院の設備などで安全に行えない治療については速やかに可能な病院をご紹介する方針としています。

疾患の診断、初期治療についてはどの疾患についても当院で可能です。いずれにしろ診断、治療の各場面で詳しくご説明し、患者様やご家族には「納得した上での治療」を超えて、ご自身の疾患については「医師と同じレベルの知識を得た上での治療」が行えるように努めております。

以下、代表的な脳神経外科が対象とする疾患について述べて参りますが、これらの疾患以外でも対応は十分に可能ですので、いつでもご相談くださいませ。

手術の画像
手術室

1.脳梗塞

脳を灌流する血管が様々な理由で閉塞し、灌流されていた領域の脳が死んでしまう病気です。死んでしまう脳の領域により麻痺やろれつが回らない、言葉が出てこないなどの様々な症状が出てきます。

発症から間もない場合(現行では4.5時間以内が目安)は、特殊な薬剤を投与して詰まった血栓を溶かす治療が適応となることがあります。この薬剤を投与するまでの時間は早ければ早いほど回復の可能性が高いです。

当院は小さな病院であり小回りが利くという特性を活かし、この薬を投与するまでの時間を脳卒中専門の病院と比較しても遜色のないレベルまで大幅に短縮しています。また、脳梗塞の診断やその後の治療については、他の大学病院とほぼ同等のことが可能です。専門的な内容になりますが、広範囲の脳梗塞に対する減圧開頭術まで可能です。

血栓が大きい場合は薬のみでは血栓を溶かしきれないことがあり、その際には血管内にワイヤーやカテーテルを主としたデバイスを入れて血栓を物理的に回収する必要が出てきます(血栓回収と言います)。当院の血管撮影装置ではこの治療が安全にできませんし、血栓回収は専門の血管内治療専門医に任せるべきと考えておりますので、初期診断の際に血栓回収や血管内治療専門医の介入が必要と判断した際には、血栓を溶かす薬を投与しながら血栓回収を直ちに行える病院へと救急車で転送します。当院は日頃から周囲の高次医療機関と連携を密にしており、転送はスムーズに行えております。

脳梗塞診療で最も大切なのは、発症から病院に到着するまでの時間をいかに短縮するかです。症状から少しでも脳梗塞を疑われた場合は、ためらわずに救急車をお呼びください。

2.脳出血

多くは高血圧症により脳の血管が破れて脳内に出血し、出血した場所の脳が損傷してしまう病気です。出血の場所、量によっては生命に危機が迫ることもあり、手術の適応となる可能性があります。残念ながら脳出血の手術は基本的に「治す」事を意図して行うものではなく、「命を救う」ことが目的です。

脳出血に対する手術は大きく内視鏡手術と開頭手術とに分かれます。昨今では内視鏡手術が開頭手術に負けない成績を出してきておりますが、当院には内視鏡の設備がありませんので、内視鏡でも可能な脳出血と判断した際には速やかに手術可能な病院へ転送します。脳梗塞と違い、発症からの時間で適応が変わる等の時間的制約は強くありません。

開頭手術であれば当院でも可能です。この場合は頭蓋骨を切って脳を露出し、手術用の顕微鏡を用いて丁寧に出血の部分を取り除いていきます。一般的には出血が続いていると思われる状態や出血がかなり大きい場合に開頭手術を選択します。

脳出血で手術が必要となる割合は高くありません。多くは内科的な止血剤の投与と高血圧に対する治療が行われます。この点で、当院は小規模病院ですので、各患者様に目の届くきめ細やかな治療が可能と考えています。

3.くも膜下出血

多くは脳の表面に存在する動脈にできた動脈瘤と呼ばれるこぶが破裂して、脳の表面に幅広く血液が散ってしまう病気です。くも膜下出血は致死率が高く、概ね1/3が亡くなり、1/3は重篤な後遺症を持つと言われます。治療という言葉を用いますが、脳梗塞、脳出血での「治療」と同じく、その内容は救命と再発の予防です。

動脈瘤が再破裂すると致死率が高くなりますので、一旦かさぶたで止血された動脈瘤を二度と破裂しないようにする処置が必要です。大きく分けると血管内に管を誘導し、動脈瘤をコイルと呼ばれる金属の線で充填し尽くす血管内手術と、頭蓋骨を開けて直接動脈瘤をクリップで挟む開頭手術とに分かれます。

血管内治療では常に2方向から管の先端の位置を確認しながら慎重に動脈瘤内にコイルを充填していきますが、当院の血管撮影装置は1方向の物ですのでこれができません。開頭手術では、クリップ後に顕微鏡用の造影剤を用いてきちんと動脈瘤内の血流が消失し、他の余計な血管をクリップで挟んでいないことを確認すると共に、常に運動神経を刺激して麻痺が生じていないことを確認しながら手術を行いますが、当院の顕微鏡にはこの機能がない上、運動神経のモニタリングの機械もありません。従って、当院の設備では血管内治療、開頭手術共に安全に行えませんので、くも膜下出血と診断した時点で治療を行える他院へ転送します。

4.急性・慢性硬膜下血腫

頭部外傷をきっかけとして脳の表面を覆う硬膜の下に出血してしまう状態です。外傷直後に大きな出血を来した場合は致命的となりますので、直ちに頭を大きく開くような開頭手術を行って血を除去する必要があります。この手術は当院の設備でも十分に可能ですので、診断次第手術を行います。

また、外傷から3週間以上経ち、その間に徐々に増大した血腫が脳を圧迫して麻痺や認知機能障害を生じることがあります。これを慢性硬膜下血腫と呼びますが、この場合は血腫が液体状となっているため、頭を広く開けずとも、2cm程度の穴を頭蓋骨に開けることで血腫を除去できます。この手術も当院の設備で十分可能です。

5.正常圧水頭症

理由は様々ですが頭の中の脳脊髄液の量が多くなり、典型的には認知機能障害、歩行障害、尿失禁を来す疾患です。内科的な治療で改善することは少なく、また、認知症と誤認されやすい疾患で、認知症として治療されている患者様の中にはこの疾患の方が一定数存在します。

治療は余分な脳脊髄液をお腹の中に流す経路を作成する手術を行うことです。脳と脊髄は繋がっていますので、脳から脳脊髄液を抜いても、脊髄から脳脊髄液を抜いても結果は同じです。しかし、例えば頸椎症などで脳から脊髄への脳脊髄液の流れが悪いことが予想される場合は、直接脳から脳脊髄液を抜いた方が効果的です。当院では脳から脳脊髄液を抜く手法、腰椎から脳脊髄液を抜く手法のいずれでも手術が可能です。

実際、月に1-2回程度と、小規模の病院にしては高頻度に本疾患の手術を行っております。

6.脳腫瘍

脳腫瘍は多の部位の腫瘍と比較してほぼ独立した分野と言っていいほど種類が多く、また、その診断や治療が近年の遺伝子検査により大きく変化した分野です。当院脳神経外科では可能な限り最新の診断や治療についてご案内します。

当院の設備で手術可能な脳腫瘍は、右前頭葉などの余り重篤な症状を呈さない場所にできた転移性脳腫瘍です。この腫瘍については当院の設備でも安全に開頭腫瘍摘出術が行えると判断しています。また、がん治療認定医を取得していることもあり、元々の悪性腫瘍の治療との連携も得意としておりますので、いつでもご相談ください。これ以外の腫瘍はその後の遺伝子検査や放射線治療、化学療法やその合併症のコントロールを含めると、そもそも当院のような小規模病院で行うべきではないと考えておりますので、信頼できる他院をご紹介いたします。

7.てんかん

痙攣発作などで搬送されていらっしゃることの多い疾患です。内服薬のコントロールで60%程度の患者様については発作消失が実現できますが、残りの40%の患者様については専門的な診断と治療が必要となります。

当院では初期対応や日々の投薬、脳波などの検査を行うと共に、各てんかんセンターとも連携の上でビデオ脳波同時モニタリング等のより詳しい検査が必要となる時期を見定め、適切な医療機関へと紹介する役割も果たしています。

また、てんかんの患者様には様々な助成制度もありますので、ご案内や申請時の書類作成なども行います。

何より、土曜日の午後にも診療を行っている数少ない病院ですので、お仕事をされているてんかん患者様のコントロールについてもお任せいただきたいと考えています。

8.認知症

高齢の患者様が増えてくるに従って、入院される患者様でも他疾患に認知症を合併している方が増加しています。

認知症と一言で表現されることが多いですが、その中には有名なアルツハイマー型認知症をはじめとした認知症群を始め、甲状腺機能低下症などの内科疾患や上記の慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症といった脳神経外科の疾患、果ては気分障害などの精神科疾患なども含まれており、実に多岐にわたります。

こうした疾患の中から認知機能障害の原因となっている疾患を探り出し、治療を行うのも当院の役割です。認知機能障害が存在すると大きな病院では入院の適応から外れてしまうことがしばしばありますが、当院は小規模の病院ですので問題ありません。小規模ではありますが、CTやMRIを備え、血液検査可能な項目は大学病院と比較しても遜色ないレベルを取りそろえておりますので、認知機能低下に対する精査や治療は十分に可能です。

また、小規模病院の長所を活かして、患者様個々人に対応した介護方針の選定や介護保険の見直しなども可能ですし、地域のリハビリテーション病院や在宅診療医との連携も密に取っておりますので、当院を起点として介護環境を調整することも可能です。

是非とも一度ご相談いただければ幸いです。

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※ただし救急外来は24時間体制で受け付けております。

【休診日】日曜・祝日

病院案内

医院名
小西第一病院グループ
医療法人社団おきの会 旗の台病院
院長
江口 輝男
住所
〒142-0064
東京都品川区旗の台5丁目17-16
診療科目
内科、外科、脳神経外科、整形外科
電話番号
03-3781-1108